2017年5月2日火曜日

朝日新聞世論調査(5月2日)を見て:安倍政権で評価される政策は「外交」だけか

朝日新聞世論調査(5月2日)から支持される政策は「外交」だけと言うことが分かった。安倍内閣支持率はどの世論調査でも50%台の高率、自民党支持率も野党第一党の民進党が7%であるのに対して自民党は30%台の高率を維持している。

森友学園疑惑事件、加計学園疑惑事件は安倍総理の規制緩和に絡む大疑獄事件と思われるが一向に支持率を下げる要因になっていない。

その原因に、「他の内閣よりマシ」(讀賣新聞)と言われている。皆、民主党政権のことや安倍総理に代わる政権が見えないことを理由にしているようだ。

肝心の安倍政権の政策がどう評価されているのか、今回の朝日新聞の世論調査で分かってきた。

有効回答2020,回収率67%の調査から「評価する政策」、「評価しない政策」を複数回答を依頼した結果が次の通りだ。

     政策       評価する %、  評価しない %
外交            38%       15%
景気、雇用         34        30
安全保障          24        23
震災復興          22        23
社会保障 福祉       18        34
消費税           16        33
教育、子育て        15        26
TPP           11        19
財政再建           9        24
憲法             9        39
原子力、エネルギー      5        40

この結果から見えるのは、評価されているのは「外交」だけ、頻繁に外遊し世界に発信している姿は国民にもそう映るのだろう。トランプ大統領は唯一の友人、今おかしな動きをしているロシアのプーチン大統領ともファーストネームで呼び合う(?)仲だ。外交だけで内政には問題が多いと指摘するムキもある。
どちらとも言えないのは、「景気、雇用」「安全保障」「震災復興」だ。アベノミクスで一時は成果があったように思える経済政策、景気対策も海外経済の影響を大きく受ける。憲法の解釈改憲に閣議決定の道を付け、米艦防衛など日米同盟強化に走るが国民は評価しかねている。

震災復興も復興予算の消化はママならず、未だ避難生活を余儀なくされている被災者が多いなかで今村元復興相は「個人の責任」、「まだ東北で良かった」と失言を吐き辞任した。それがあってかどうか知らないが又被災地を訪問している。

評価されない政策は多い。

原発再稼働に動く安倍政権の原子力・エネルギー政策は評価出来ないトップだ。電力会社は原発1基を稼働させれば収支に大きく貢献するから経営者は必至だが、立地自治体、周辺住民の了解を得るのは大変だ。膨大な予算を使って安全対策を実施している。

憲法記念日を迎えるが、憲法改正も評価されない。こう言う憲法を持っている事に誇りを持っている国民は多い。安倍総理は「憲法改正の機は熟した」というが何が熟したのか。自分の気持ちだけが熟しているのか。「押しつけられた憲法」の発想自体が貧弱ではないか。

社会保障、消費税、財政再建も評価されていない。この分野は全てが一体で考えなければならない政策だ。生活弱者いじめが目立つ。消費税だって今度は上げないと法令違反になるが、折角景気も上向いてきたところで消費税増税は足を引っ張ることにならないか。財政出動だけで景気対策をやるのは財政再建上問題だ。

財政赤字でも思い切ってやれば経済成長に繋がり企業は儲かり家計への再分配、税収増になれば消費も伸び経済の好循環が期待出来るはずだ。海外のノーベル経済学賞受賞の経済学者は政府にアドバイスするが日本経済の実態を知ってのことか。

TPPはアメリカ抜きの11ヶ国で再審議することを日本が主導するらしい。域内のGDPの大きさを考えるとメリットはないという国も出て来た。何故、無理を通そうとするのか。アベノミクスの成否にもかかっているというのか。
教育子育て支援は大変だ。予算を付けても待機児童は増える一方らしい。子どもを預けて働きに出て生活費を稼がなければやっていけない若者世代だ。世帯主の所得でやっていける社会を築けないものか。そのためには社内留保に励む企業家の姿勢に問題がある。

家計への再分配のため安倍政権は経済界に賃上げを要求、昔の野党の立場を取っているが、経営者も先行き不透明は世界経済の事を考えれば渋くなる。

今のところ安倍政権が評価されるのは「外交」だけだ。


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