2017年7月1日土曜日

経営トップには結果責任:東電旧経営陣3人の「無罪」主張は無責任

朝日新聞 2017.7.1
東電の旧経営陣3人に対する業務上過失致死罪の強制起訴で「無罪」を主張したと言うが、余りにも無責任ではないか。これだけの大惨事を招いた東電トップには結果責任を問うべきである。

前橋地裁判決でも見られるように下級審の判断は国民感情に沿った有意な判決であるが、上級審に行くほど遠ざかって経営者の責任が回避される。

それが企業の安全管理を劣化させることになっている。経営トップの結果責任を追及することにより企業の「安全軽視」に注意喚起すべきではないか。

JR西日本の宝塚線の大惨事でも同じ事だ。利用者の生命を預かる公共交通機関の経営者には一般社会通念上要求される安全配慮義務以上の配慮が要求されるのだ。

業務上過失致死罪で強制起訴された勝俣元会長、武黒副社長、武藤副社長は共に「無罪」を主張、経営トップの日常業務と「安全確保」が争点なる。勝俣元会長は、当時絶対的権限を握っていたが、今回の事案に対しては権限がないというらしい。

とんでもない責任回避だ。原子力事業など万一の時は甚大な危険をはらんだ事業者には他の企業よりも厳しい安全配慮は課せられるのだ。

また、今回の福島第一原発の事故調査もいろんな問題を残している。東電が十分な資料を開示しなかったために事故原因調査が不十分なまま終わった。捜査権にない第三者委員会の調査には限界がある事は分かっていたが、検察も不起訴処分にした。

ところが今回の強制起訴で新しい証拠が出て来たと言う。

2008年に既に津波対策が検討され15.7mが押し寄せることが予測され図面も出来上がっていた。確か工事費も80億円程度と新聞に出ていたことを覚えている。

この件は社内的に非公開の勉強会での出来事で有り経営者はあずかり知らぬことと片付けられていた。

ところが3人とも知っていたのだ。大津波が押し寄せれば現状の防潮堤では対応出来ず、甚大な事故につながることを「予見」でき対策を急がせる責任があったのだ。

工事費は80億円ではないか。電力料は必要な経費に儲けを加算できる仕組みだと聞いたことがある。何も先伸ばし、倹約する必要はなかったのではないか。

初公判では「3人が事故を予見し義務と責任を果たしていれば事故は起きなかった」という追求に旧経営者は「当時、法令に基づき安全対策をとっており試計算に過ぎない」と反論している。

国民感情からすると旧経営陣は不利だ。東電は原子力事業では日本を引っ張って行くリーデイングカンパニー、法の基準は古い。新たな危険が分かれば率先して改善していく義務が東電にはあったのだ。


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