2017年11月1日水曜日

東京モーターショー2017「BEYOND THE MOTOR」:「クルマを越えて}か、「車社会を越えて」か

東京モーターショー2017冊子より
東京モーターショー2017で自動車業界は「BEYOND THE MOTOR」を宣言したが、何のことかよく分からなかった。「クルマを越えて」とか「クルマ社会を越えて」という意味だろうと考えていたが、会場で冊子を手にしたら「世界をここから動かそう」という。

それによると、クルマという枠を越えて生まれ変わる。クルマが変われば人やクルマだけでなくもっと多くのものが動かせる。境界を越えて世界をもっと自由に出来るというのだ。

「クルマはただのクルマではない。クルマという境界を越えて未来を構築していこう」と言うのだろう。

でも新しい技術革新を除いて会場を見ると未来のコンセプトカーでデザインは斬新、年齢を問わず魅力を感じるデザインだがクルマ自体、コックピットを含めた何時も思うのだが実用面では疑問を感じる。勿論、メーカーの実力を見せつけているだけだろう。

最近は若者の車離れ、免許証保有率は下がっていることも危機感の表れだろう。クルマは移動手段、モノの運搬、ステータス・シンボルに変化が来ているのだ。都会では駐車場も高い、維持管理に費用がかかりすぎるのだ。レジャーに行こうとすると渋滞、混雑、事故は嫌われる。

でもたとえば「関越道高坂付近で渋滞45km」と言っても家族旅行となると車を使うのだ。

31日は平日でも会場は多くの入場者でごった返していた。どの展示車にも運転席に座って説明を受け、写真を撮っている。そんな中で各メーカーの技術を拾ってみた。

自動運転技術が多いが、AIを組み入れて運転者の感情、運転のクセなどを取り入れて快適な運転が出来るように工夫しているという。運転者にとって快適というのだが、他の運転者にとっては嫌な運転もあるだろうが、どう調整しているのか。

EVの展示車が多い。英仏ではガソリン、デイーゼル車は将来禁止になるし中国でも同様だ。大きな市場での規制だから各社が力を入れている。最近、日産がレリーフで航続距離400kmを達成したと言うが、更に600kmを目指すと言う。

FCV(燃料電池車)、ゼロエミッションは究極のエコカーだ。トヨタやベンツが力を入れているがインフラ不足、車両価格が高い。700万円台ではチョット手が出ない。

一方、VPD(仮想発電所)で太陽光発電をバッテリーに蓄えることも考えられている。以前、電気自動車を緊急時の充電システムにしたスマートハウス、スマート シテイーの紹介が多かったときもあるが今回ない。

インテリゼントドライブ技術は大きく進展しているようだ。既に採用されている技術も多い。レーダー、カメラ、レーザースキャナーの採用で360度センシングも可能だ。それにAIを追加すると危険予知も出来る。

自動駐車技術も売りになった技術だが、年をとると窓を開けてバックを確認しながら駐車しなければ心配だ。

自動クルージングシステムも装着されているが一度も使ったことがない。最近友達がスバルの高性能アイサイトを装着したクルマを買ったので「壁に向かってテストしてみよう」と言ったが断られた。無理にやるものではないのだ。

ボルボが自動ブレーキとステアリングサポートで緊急回避操作ができる技術を開発している。

各種技術が融合した「未来の視野」
いろんな技術が紹介されているが、新しい概念を持った高解像度化ヘッドランプHD LightingHigh definition Head Lamp)とカメラモニタリングシステムの技術が融合した「未来の視界」を紹介したブースがあったが、これは実際に役立つのではないか。

社会は高齢化が進んでおり高齢者の安全運転を支援するシステムとして役立つだろうが、そこまで頼らなければならない人間に運転する資格などないだろう。

私も4年前からドライブレコーダーを付けたが、「右ラインに注意」「左ラインに注意」「前に注意」、追突しそうになると警告音が鳴る。この程度で今のところ十分だが、煽り運転を警告するために「ドライブレコーダー 録画中」のステッカーを購入し付けた。

インフラが整備され、完全に自動運転が可能になると目的地を設定すれば電車と同じようになる。「事故が起きたら誰の責任?」と聞くと原則として「事故は起きないのだ」という。

今回は展示されているかどうか分からなかったが、電気自動車、ボデーは炭素繊維となるとエンジンなど機械的パーツが減り、自動車メーカー以外でも車は作れるのだ。以前、東レが試作車を展示していた。

これに関して「2050年の技術・・英エコノミスト誌は予測する」(文芸春秋社 2017.4)に記述がある。その中の「クルマは編まれ、住宅は印刷される」で、それによると軽量は複合素材「炭素繊維」を使って金属加工より繊維加工するのだ。炭素繊維を糸巻きにして絨毯のようなシートに編み上げ様々な形に切断し重ね合わせ重なったシートに樹脂を注入しプレス、車体のパーツに成型して行くのだそうだ。そうすると巨大な織機で編まれた新型車「BMWi
3」出来上がったのだ。


確かにクルマも枠を越えると新たなイノベーション、ビジネスを生み出すイベントに深化するのだ(同上 TMS冊子より)。

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