2017年11月10日金曜日

トランプ大統領アジア歴訪でみた日本、中国の対米外交の違い

トランプ大統領の初アジア歴訪は日本で始まり韓国、中国と続いたが、日本、中国では対応に大きな違いがあった。日本は安倍総理との親密さを強調するが、中国は2国間対等関係を強調し中国が外交では一枚上である事を世界に示した。

日本は、安倍総理とのゴルフ外交、連日の会食が目立った。安倍総理はリラックスしたゴルフ外交で会話が出来たというが、内容は日本側が「北問題」を上げるとアメリカ側は「貿易赤字で北問題はチョット触れただけ」という内容の違いがある。

他のメデイアの報道でもゴルフ外交に成果があったとする報道はない。安倍総理の得意(?)のゴルフ外交も一時の遊びだったのだ。そして高級料理店での会食に安倍総理は満足したようだ。

共同会見でも安倍総理は「北朝鮮への圧力強化」で同意できたと言うが、トランプ大統領は安心安全のためには「膨大な兵器の追加購入」を要求した。日本は今までもアメリカから兵器購入を続け、年平均の防衛費の伸びも今までの0.8%から1%を越える状況らしい。

防衛省は苦悩しているが、トランプ大統領は「死の商人」だ。これでアメリカ産業が活性化し、雇用も増えれば大統領選での公約を守ることになる。

トランプ大統領が着いたのは横田基地だ。北朝鮮の挑発行為に最前線で活躍する米軍人を激励する意味があったのだろう。

続く韓国訪問は反日感情丸出しのイベントは、トランプ大統領にとっては逆効果だったろう。

次の中国訪問では、かってやったことのない故宮を借り切ってのトランプ大統領夫妻の歓迎には驚いた。トランプ夫妻の笑顔を見る機会は少なかったが中国の文化を存分に示したことになる。

そして会見では「新型大国関係」を提案してきた。中国は西進では「一帯一路」を展開しているが東進では太平洋をはさんで2国間で分割しようと言うのだ。その一端が尖閣諸島への領海侵犯であり日本の領土スレスレの公海上での軍艦の航海なのだ。かって河野外相が中国との会談で「大国としての振る舞いが大事だ」と抗議したことがあるが中国には安全保障常任理事国としても矜持がない。

日本、韓国、フィリッピンなどでの米軍基地を考えての国策なのだろうか。

対中貿易赤字が大きな問題になるだろうと思っていたが、逆に中国が28兆円もの商談を提案したことで満足したのかトランプ大統領は貿易不公平を批判しなかった。

それにしても今回のトランプ大統領アジア歴訪では日本、中国の外交の違いを大きく見せつけた。

日本はどうしても総理と大統領の親密さを強調する。中曽根―レーガン、小泉―ブッシュ、対ロシアでは橋本―エリチンだ。日米関係はそれぞれの総理の個人の絆の強さで進展させると言うのだろうが、日米関係の強固な繋がりも時の総理次第なのか。

一方、中国は強かだ。政権も長期に続くので短期の成果などどうでも良いこと。長期に向けた国家間の関係を築いているのだ。それが一時影をひそめていた「新型大国関係」だ。

日本と中国の対米外交の基本姿勢に違いがあるのだ。

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