2018年2月17日土曜日

今日の新聞を読んで(135):日銀・黒田総裁続投、これしか選択肢はなかったのだ


日銀総裁人事案が提示され、黒田総裁続投が決まりそうだが、安倍総理にとってはこれしか選択肢はなかったのだ。2人の副総裁人事は早稲田大の若田部教授と日銀の雨宮理事だ。若田部さんはリフレ派だが極端な立場ではなさそうだ。

市場もリフレ派が占めることで大きな変化はなく安心感を持ったのだろう。

しかし、黒田総裁も厳しい立場に置かれる。

FRBは利上げのタイミングを狙っているし欧州中央銀行も出口戦略を検討している。そんな中で「2%物価目標」達成まで異次元の金融緩和策を継続する日銀は厳しい立場に置かれることは確かだ。

異次元の金融緩和策の出口戦略を口にしようものなら即、アベノミクスの破綻になり安倍政権の基盤は崩れる。安倍総理が黒田総裁を信任していることは、即「出口戦略を口にするな」と言うことだ。

このまま「2%物価目標」を掲げても達成は無理だろう。FRBは米国内のインフレ懸念から利上げのペースを上げるかも知れない。ドル安は円高になり株価も下落の心配がある。既に為替は106円台で大企業の想定為替の109円台を越えて円高だ。業績の心配が出て来ている。

株安はアベノミクスの成果をも否定することになる。どっち道、安倍総理にとっては3選も危うくなり、アベノミクスの見直しを掲げた総裁候補が出てくるだろう。

そうなると安倍総理の手段は黒田総裁に責任をとらせるしかないのだ。

黒田総裁の続投はアベノミクスの主要政策課題である異次元の金融政策の責任をとらせ、安倍総理は生き延びようとする手段なのだ。黒田総裁もそのことは覚悟しての続投なのだろう。

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