2018年4月15日日曜日

米英仏によるシリア攻撃:アサド政権、ロシアは「テロに屈しない」という


化学兵器使用を訴えるテレビニュース 2018.4.16
残酷な映像にも政権側は「やらせ」と批判するが・・
米英仏がシリアにミサイル攻撃をしたが、アサド政権、ロシアは「これでテロには屈しない」という。アサド政権が反政府軍陣営基地に化学兵器を使用した映像を見る限り非人道的行為に怒りを覚える。ミサイルは化学兵器研究施設、原料などの貯蔵施設に105発のミサイルを撃ち込んだが、アサド政権は「テロに屈しない」という。

アサド政権が反政府軍に向かってテロリストというのも滑稽だ。民主政治を取り戻そうとする反政府軍に対しての発言だから体制が違えばそうなるのか。

アメリカは世界の警察官として中東で17年の間に7兆円も浪費したが、成果は上がっていない。先に2000人の駐留を止めると言い出したがアメリカが中東から撤退すればロシアが主導権を握る恐れがある。

何時もそうだが、世界で紛争が起きると必ず米国vsロシアの構図で動き、和平など遠のく。今回もロシアがシリア国内に基地を持ったり、補給施設を持っているのでサダト政権寄りだ。ご多分に漏れず批判声明を発表した。

英国はロシアとのスパイ問題が外交へも影響している関係もあって議会の承認を得ないまま閣議決定で参戦した。

フランスもシリアは昔フランス領だったこともあって主導権を握るためにも参加したのだろう。

思い出すのはイラクへのアメリカの侵攻だ。イラクのフセイン大統領が独裁者で国内には生物兵器、化学兵器を持っているという懸念から調査団を編成し調査に当たったがフセイン政権に邪魔され思うように進まない。

業を煮やしたブッシュ大統領は単独で侵攻し地下壕に隠れたフセイン大統領を確保したが、生物兵器などは見つからなかった。後の調査団報告でも発見できず必ず持っていると主張したブッシュ大統領は苦境に立った。

フセイン大統領はイラクで独裁者だがフセインがいなくなると中東は混乱すると警告する専門家が多かったが、結果も中東は混乱の極みだ。

今回、トランプ政権はシリアでの化学兵器使用を確認しないままでのミサイル攻撃で批判を受けることになるだろう。

また、シリアの背後に「ロシアあり」は北朝鮮にも通ずる。ソ連はシリアで父であるアサドを擁立しその後、子のアサドに政権のたらい回した。北朝鮮も金日成を北の主席に擁立し、金正日、金正恩と政権をたらい回しし金王朝を築いた。

ロシアがシリアから手を引くことはない。クリミア半島の強引は併合での経済制裁を受け国内経済は停滞気味、イギリスとはスパイ事件での外交官追放合戦は他国にも波及している。

そしてトランプ政権ではロシアンゲート事件で大統領自身も被疑者だ。

近づく米朝首脳会談はどうなるか。このシリアでの化学兵器では北も支援しているという。シリアと北の関係を絶つことも大事なのだし、北に対するミサイル攻撃もあり得るとけん制しているのかも知れない。北もテロ国家、非人道的行為は批判されている。「非核化」の前提に「金王朝の安全を確保すること」など考えられないことだ。

この米英仏による北の親友国であるシリアへの攻撃は北の米朝会談への対応の変更を強いられることにならないか。苦悩する金委員長は会談の先送りを提案するのではないか。それとも今回の米の行動を批判してトランプ大統領の怒りを買い破綻することも考えられる。


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