2018年4月19日木曜日

森友疑惑:地検特捜部が「バッチを捕りに行く」ことは大変な事なのだ


森友疑惑で佐川さんが告発されているが、地検特捜部が「バッチを捕りに行く」ことは大変なことなのだ。当初、地検特捜部の幹部が「国民感情と違って立件できる可能性は少ない」と言っていたが、最近の新聞でも「立件はない」という意味の報道がある。

証拠を固め立件可能性のある案件に限るが、相手が国会議員、地方議員の場合自ら手を下さず、秘書、事務所の職員がいくらでも替え玉になる。だから議員は「知らぬ存ぜぬ」で逃げることができるのだ。

それに事案が発覚しても1から2年後に家宅捜索をやってみても肝心の証拠などあるはずがない。捜査状況は不思議と永田町では早く流れ証拠を破棄したり、隠したりするのだ。だから家宅捜査してもなかなか重要資料は見つからない。当たり前のことだ。

小沢さんが権勢をふるっていた時、政治資金か何かで疑惑が持ち上がったが、情報が流れるとすぐ事務所から書類を他の場所に移した。その作業をやった事務所の元職員が東京地検特捜部に訴えたが取り入れてくれなかったという。

金丸さんの脱税疑惑は家宅捜索で電話の下にメモがありそれを証拠に逮捕された。「先生、ワリチョーを持っていますね」に金丸さんはがっくりしたことは有名になったほどだ。

地検は問題が発覚しても家宅捜査は1年後だ、証拠が残っているはずはない。

しかし驚いた事案がある。小渕優子議員の後援会が政治資金規正法違反に問われたときだ。発覚1週間後に東京地検特捜部が後援会長宅、長野原町長自宅、事務所を家宅捜索しPCなどを押収した。

事案は群馬県内の公共事業者からカネを集めプールし県内の県会議員など地方議員にお祝いなどの名目で配っていたのだ。相当広くやっていたので群馬県政の疑獄事件に発展するかと注目していた。

後援会長の長野原町長は辞職し、「議員は何も知らない。全て私の責任でやった」と自白した。小渕議員は「私も何も分からない」と困惑した記者会見を開いた。
違反の証拠物件であるPCのHDはドリルで穴をあけ廃棄したのだ。乱暴な捜査妨害だ。「何故、今」と問うと、丁度更新期であったと嘯く。

結局は後援会の責任者らが起訴され、小渕さんは経産相を辞職した。議員辞職したが衆院選も近づき「禊ぎ」の出馬となった。この間小渕さんの変わりに参議員の山本一太さんや中曽根さんの孫が後釜を狙ったが自民党本部が認めなかったために今も小渕さんは群馬5区という片田舎の選挙区でトップ当選を続けている。

しかしなんと言っても東京地検特捜部と田中角栄さんとの戦いだ。ロッキード事件でのピーナッツ3ピース(?)は有名になった。

ところが大阪地検特捜部は何の事案か忘れたが厚労省の村木局長を逮捕したが、部下のウソの供述と分かり釈放された苦い経験がある。このとき、特捜部「不要論」が出て来た。

そういった苦い経験から今回の森友疑惑に関する市民団体からの告発をどう処理するかが注目されるのだが、佐川さんは嫌疑不十分で不起訴処分になるのではないかと思う。

佐川さんの公文書改ざん疑惑は改ざん、削除したところで国有地の格安払い下げの結果には影響しないのだ。全ては前任者の時の事案なのだ。国民感情とは違う所なのだ。

特捜部の「バッチを捕りに行く」事は大変な事なのだ。過去には法務大臣だった犬飼さんが指揮権発動して佐藤元総理を助けたことがあるが、犬飼さんは次の選挙で落選し身をひいた。

安倍政権は内閣人事局の権限で法務省、検察庁のトップ官僚の人事権を握っている。国会議員などの不祥事の立件に影響しないとは限らない。

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