2018年5月19日土曜日

東電福島第一原発の廃炉への近道は汚染水の希釈放流しかない


東電・福島第一原発の廃炉への近道はトリチウム汚染水の希釈放流しかない。以前から指摘されていた汚染水処理も問題だが読売新聞(2018.5.19)の「原発処理水 決まらぬ行き先」を読んで一層そう思った。

30年以上かかる廃炉工程だが汚染水の処理に行き詰まっていては道は開けない。他の原発は当然に希釈放流しているが漁業関係者には安易に認めにくいのだが、アウターライズによる2次、3次災害も心配されている現在、東電、漁業関係者は国の調整を当てにせず積極的に交渉すべきだ。

直接被害を受けていない者が無責任なことを言っているようだがそれしかないのだ。他の原発は希釈放流を続けているし、新聞によると今までも希釈放流で年に380兆ベクレルが放出されたという。福島第一原発の汚染水濃度は100万ベクレル/Lで国の基準の6万ベクレル/ Lで希釈すれば可能なのだ。

漁業関係者も風評被害を跳ね返し自主基準で漁場拡大まで持って行っている。努力はしているが東電も敷地の関係からタンク立地の限界に近づいているらしい。現在のタンク容量は113万トン、現在までに107万トン貯蔵、1日に160トンの汚染水が出るとするとあと1年で限界だが、2020年までに137万トンまで増設できても後5年で限界だ。

幸いなことに処理が難しいと言われるトリチウムも半減期は12年、紙一枚で遮蔽出来ると言うし、外部被爆もほとんどない。飲んでも直ぐに排出されると言うから希釈放流が認められているのだ。

新聞でも処理別費用の比較が載っている。海洋放出は7年4ヶ月で34億円の最短、最安値だ。

東電は国の調整を期待しているようだが、原子力規制委員長は東電が決めることと突き放す。

東電はこんな大災害を起こした張本人だが廃炉に関しては国を頼りにしすぎだ。一方でどこかの原発事業を支援するために資金を拠出すると言って、国会で問題になっていた。他の事業者を救済するより自分の福島第一原発事故対策に主体性を持ってやるべきではないか。
原子炉建屋地下水は今も、毎日160トン出ているが300トンと言われた当初のことを考えると凍土壁の効果が出ているというのか。それでも大きな問題を抱えていることになる。

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