2018年5月7日月曜日

働き方改革:非正規には「多様性」対応、正規には「虐め」対応か


今国会の働き方改革法案は安倍総理が言う「労働の多様性」に対応出来るのは非正規労働だけで正規労働者には「虐め」対応になっていないか。現役を退いた私にとって働き方改革がどういうものか分からなかったが、朝日新聞(2018.5.3)の「経済気象台 「非正規は不本意か」」でその内容が少し分かってきた。

それによると非正規を「下流」「アンダークラス」と位置づけては行けないのだという。非正規労働を希望している人もいると言い、2017年度の労働力調査結果が照会されている。

自分の都合の良いときに働きたい    539万人
家計の補助、学費を得る        407
家事、育児、介護と両立        235
専門的技能が活かせる         145
逆に正規職員、従業員の仕事がない   273 (全体の14%)

確かに学生、アルバイト、パート希望の人もいるはずとは思っていたが多いことに驚いた。学業、家事、介護をしながらの仕事は正規では厳しい。

逆に正規の仕事がないから仕方なく非正規になっている人が全体の14%いる。
問題は人件費を下げるために非正規を多用しているとしたら問題だ。貧困の増加、格差拡大につながる。

特に若い男性が正規労働に付けないということは社会問題が大きすぎる。結婚出来ない、子育てできないと言う事は少子化が進むだけ。

更に、将来のために良質の労働力を確保出来ないことは、国内企業にあっては存続にも大きく影響するのだ。今は、海外へ進出したり、海外から労働者を雇い入れたりしているがこんな事で良いのか。

既に実施されている裁量労働では残業なしのただ働き、雇用の質も劣化していることにならないか。家計への収入が増えないから消費は伸びない。

安倍政権は2%物価目標達成を狙っているがこんな雇用形態では物価も上がらず、経済成長もアベノミクスで当初考えたプロセスでは動かない。

改革をやろうとすると制度を悪用される。非正規から正規への切り替えに際して雇用止めで企業、研究所などが首切りに走っている。裁量労働制も企業は悪用している。

働き方改革は経済連も強く希望、一時は連合も了承したらしいが後に翻意した。可愛い娘を自殺で失ったおかあさんが「こんな事では犠牲者は減らない」と働き方改革を批判していたが、政府は法案を通すことに執着している。経済界のためか。

正規労働者も受難の時代だ。リーマンショック後、人件費の削減、従業員の削減をやって来て今、仕事が増えてきたが従業員は増やしていない。当然のことに過重労働になる。

仕事量の増えている企業は従業員を増員すべきなのだ。

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