2018年5月14日月曜日

地球の水:地球内部の岩石に含まれる水に起因するが地震にも関係する


地球の水は地球内部の岩石に含まれ地球の表面に出て来ているのだ。地球は「水の惑星」と言われ人間にとって生きて行くに必要な「水」が豊富に存在するが、ある時には豪雨で、ある時は地震で私たちの安全を脅かしている。

私がそれを知ったのは地震発生のメカニズムからだ。

地震が発生すると摩擦熱で粘土層の隙間に含まれる水分が膨張するが、脆くて軟らかい粘土鉱物「スメクタイト」が水の行き場を遮る。断層内の水圧が一気に高まりプレートを瞬間的に浮き上がらせる。大きくズレるメカニズムだ(朝日新聞(2014.3.3)「巨大地震:掘削で迫る」。

又、何時だったか一度エール大の唐戸先生の論文を読んだこともある。

その水はどこから来ているのか。JGL(Vol.14,No.2,2018)でエール大の唐戸先生が「地球の水;分布、循環、起源」と言う論文で解説されている。

それによると、ここ20~30年の研究の結果、地球内部の物質には相当量の水が溶け込む事が分かり、地球ではマントル内に多量の水が存在することが確認されたのだという。地球内でのその水の循環の様子も推定されている(同上)。

もうチョット詳しく言うと、地球内部にある岩石に含まれる少量の揮発性物質(アルゴン、水素)が地質学的時間をかけてゆっくり地表に出て来たと言う点が重要で、地球の外から加わったのではないのだ。

地球内部の岩石からアルゴンや水素などの揮発性物質が地表にしみでる(脱ガスという)一方で、一部は沈み込むプレートとともに地球内部に戻っていく(再ガスという)。

そうはいっても海水の量は地球の質量の0.023%に過ぎないのだが、地球内部の410~670kmの所にある遷移層に多量の水が存在することが分かっているのだ。ここから上部マントルに安定した量の水が供給されるのだ。

詳細は「地球はなぜ水の惑星なのか」(唐戸俊一郎 講談社 2017)を参考に。

水と言っても色々ある。異常気象での豪雨で災害の発生、年々地球温暖化で被害規模が大きくなっている。一方で砂漠化も進んでいる。歴史的には古い都が砂漠化し廃墟となっている。将来的には水不足が世界紛争の要因になると警告されてもいる。飲料水不足は社会問題化している。

そして南海トラフ巨大地震、首都直下地震の発生も地下の岩石に含まれる水が大きく影響しているのだ。

しかも地球は表面の7割が海に囲まれた「水の惑星」、人間の住める条件になっているが、少しでも軌道がそれると水は蒸発し火星のようになるのだ。

そう考えると地球物理学に引かれそうだ。

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